ふと気づくと、もりのしいたけ農園のしいたけ菌床ブロックに青緑色したコケのようなものが所々生えています。
その正体は、青カビです。
「えっ?うそ?気を付けていたのに、なぜ生えた?」
「青カビってどうやったら上手く落とせるの?」
と、あれこれと考えてしまいますよね。
経験から学びましたが、一般的な家庭において菌床しいたけ栽培をするなら青カビは避けて通れないと言っていい程、生えてきます。乾燥していてもジメジメし過ぎても生えます。寒い冬であっても室内で育てるので、やはり発生します。
それは一体なぜ!?と叫びたくなる気持ちわかります(あれ?そこまではいきません?)
実際に、しいたけ栽培キットを4個育てた経験のある管理人も発生しています。
けれど、カビはちゃんと落ちました。
それでは、その青カビをキレイに落とす為の対処方法と発生原因をまとめてみました。
しいたけ栽培キットの青カビの落とし方
管理人が育てている菌床しいたけは「もりの農園しいたけ」です。
もりの農園が公開しているきのこ栽培塾ではこのように書かれています。
しいたけ農園のしいたけの収穫後青カビが表面に付着しましたがこのままでも大丈夫?
青カビはトリコデルマ菌といい、しいたけ菌を食べていきます。水道水で洗い流して下さい。青カビが次に出ても同じことをします。けっして指でさわらないで下さい。拡散します。3回ほど水洗いすると止まることがよくあります。
出典元:「きのこ栽培塾きのこの疑問Q&A」もりのきのこ倶楽部
そこでキレイに落とせるのか、実際に「水で洗い流す」ことを試してみました。
対処方法① 水で洗い流してみる
結論、根気が必要ですが落とせます。
単に水で流すだけでも落ちるかもしれませんが、管理人は工夫して落としました。
<工夫した点>
青カビが生えている部分を真上から水を落としません。
カビが発生している面を斜めにして強い水流で流します。コツは、水でカビを削げ落とすかのようにです。
イメージとしては下の画像のようにです。
水道の蛇口の向きを考えると、実際はこのようになります。
しかし、このやり方は一回ではなかなか治まってくれません。何回も繰り返し作業することによって次第にカビを発生しにくくなっていきます。3回以上はかかることもありますから、根気が必要です。
最後に栽培ブロック全体に水をかえれば、毎日の霧吹きの手間を省くことができて一石二鳥です。
メモ
シイタケが生えているけど、丸洗いしちゃって大丈夫?
シイタケが生えていても問題なく洗っています。その後も残っているシイタケは枯死することなくちゃんと収穫できました。
対処方法② 水で洗い流す+こすり洗い
対処法①を試してみて、考えました。
管理人が生やした部分はシイタケを収穫後の軸跡や未熟部分です。栽培ブロック(※)ではありません。
注意
菌床の栽培ブロックをこするとシイタケ菌はデリケートの為、生えてこなくなることがあるのでなるべくこすらないように気を付けます。)
軸跡や未熟部分には、しいたけ菌が新たにすぐ発生することはありませんので、強めの水で洗い流しながら、指でやさしーくやさしーくこすって落としました。凹凸になっている部分も念入りに落とします。この時もなるべく斜めから水を流します。
最後に全体的に水をかければ、こちらも霧吹きする手間を省けます。
こうすると、洗った部分に発生したカビはおさまっていきます。
しいたけも生き物ですから丁寧に育てたいものです。
加えて、努力した分育てる側にもメリットがあると良いですよね。どのくらいで元が取れるのか確かめてみました。
>>・計算してみた!しいたけ栽培キットのコスパは?元が取れる数は?(記事)
<失敗談>対処方法③ 削り取る
こちらは慌ててしまった時にやってしまった失敗例です。
家の掃除をしていると、カビが発生していたらすぐ取り除きたくなる時ってありませんか?キレイ好きな方やミニマニストの方は特に。
それと同じように、慌てて指と爪で削りとってしまいました。カビも取れますが、ぼろっと削れるので、栽培ブロックまで傷つきます。そうなると、ブロック自体の寿命も縮めることになりますから失敗ですね。しかも、乾いた状態で行っているのでカビ菌の胞子が舞い上がって広がる危険性がありますよね。
たとえ、慌てて取り除きたくなったとしてもこの方法は止めておきましょう。
しいたけ栽培キットの青カビが発生する原因は?
そもそもなぜ、主にトリコデルマ菌である青かびが発生してしまったのでしょうか?
カビの発生原因は?
出荷前の菌床が作られるまでの工程を調べてみると、初期の袋には雑菌を通さない袋に培地を詰めて、高圧殺菌させるようです。
その後、無菌室で無菌状態した培地にシイタケの種菌を植え付けるようです。そうしないとキノコ菌が成長出来ません。
ということは、ご家庭内での栽培中にカビの胞子がくっついたことが原因ですね。室内を空中浮遊していますし。
他にもカビが増殖してしまう原因があります。それにはシイタケ菌もカビ菌も同じ菌類の仲間だということが関係しています。
では順々に取り上げていきます。
原因① pHの関係
シイタケ菌が成長するpHは次の通りです。
シイタケ菌は、弱酸性でよく生長する菌である。生長可能範囲は ph3-9である。最適 phは、4.5-6.5である
出典:「しいたけ菌の生態」愛媛県公式ホームページ
一方、カビ菌が以下の通りです。
カビの生育可能pH(ペーハー)領域は2~8.5であり、最適pH(ペーハー)は4~4.5と非常に狭い領域である。
出典:「カビ対策マニュアル基礎編」文部科学省ホームページ
最近ではpHの呼び方が「ピーエイチ・ピーエッチ」と呼ばれるようになりましたね。
まとめると、しいたけ菌とカビ菌のどちらも、弱酸性での生育環境を好む菌ということになりますね。
原因② 湿度
しいたけ菌は湿度65~75%です。カビは80%を超えると活発に増殖すると言われていますから、湿度が非常に高い状態が続くとカビの方が優位になります。
原因③ 水分含有量
管理人が青カビを発生させた菌床培地の中には乾燥気味状態のものがありました。
それでもシイタケの未熟部分や収穫跡(軸跡)にカビが発生したということは、その部分だけ周囲より多く水分が含まれている為に発生したのではないかと考えられます。
原因③ 栄養源
シイタケ菌と青カビ菌の栄養源は同じだからですね。
カビ菌の栄養源は多様で有機物も餌となります。有機物には食パンがありますね。パンに青カビが出たところ見たことはありませんか?
培地内にもシイタケ菌の栄養源として小麦ふすまが含まれているで、カビ菌は快適に生育することが出来ます。
このように二つの菌には多くの共通点があるわけですから、カビが生えやすい環境であることがわかります。またシイタケの菌が弱まってきた時に青カビが発生しやすい傾向にあります。
それにしても空気中の酸素をなくせば青カビを死滅させることができるのですが・・・。それだとシイタケ菌も生きられませんから駄目ですね。失礼いたしました。
さてシイタケを経験したら、「なめこ」に挑戦してみませんか?