ナスは焼く・炒める・煮る・揚げるといった料理のバリエーションが豊かな為、家庭菜園において人気のある野菜ですね。
他にも人気のある野菜といえば、トマトやピーマン、ジャガイモ等がありますが、これら全てナスと同じナス科です。ナスは栽培期間も長く、連作による土壌病害も出やすい野菜の一つです。土壌病害にかかると生育に影響が出ますし、最終的には枯死することもあります。
ナスと相性の良い植物を一緒に植えてあげることで、互いに有益な作用が働いたり、土壌内の病原菌を減らすものまであります。
この記事では、主に「ナス」のコンパニオンプランツに注目して、どんな風に植えれば良いのか、効果等をイラスト付きで説明しています。
ナスのコンパニオンプランツの植え方と効果
一般的に家庭菜園で植えやすい花や野菜を取り上げてみました。
ナス×ニラ
<科学的な根拠や効果>
ニラやネギ等の根には拮抗菌という菌が共生しています。その細菌から分泌する抗生物質によって土の中にいる病原菌を減らします。半枯病といった土壌病害を防ぐことが出来ます。
ネギでもいいのですが、ニラはナスと同じ深く根が張るタイプなので、ナスの根と上手く絡み合ってくれたり触れることによって、効果を発揮できます。単子葉植物と双子葉植物なのでお互いの養分を奪ったりするなく、順調に育ちます。
ナスが収穫を終えたら、一緒に引っこ抜いて、別の場所に植え替えます。畑に残したままにすると分けつしたり、花が咲き、こぼれ種によって大変なことになります。
<植え方>
(1)ニラ苗を準備します。ニラの苗を購入するか、畑で育てた株を掘り起こし植えます。
(2)植穴をあけたら、ニラを両側3本ずつ入れます。その後ニラの根にのっかかるようにナス苗を置いて土をかけてから少し押したら完成です。
ナス×つるなしインゲン
<効果>
インゲンの根に共生している根粒菌の働きによって、空気中の窒素を固定されます。その肥料分はインゲンの生育に使われますが、古くなった根粒が剥がれたり、排出物によって、土が肥沃となりナスの生育促進にもつながります。
インゲンによりできる日陰によって、ナスの乾燥を守ります。
ナス科とマメ科で科が違うのでナスにつく虫とインゲンにつく虫がそれぞれ嫌って避ける効果もあります。
しかしつるなしインゲンは、キュウリやスイカ、ニンジンと植えるとセンチュウが増えると言われているので注意が必要です。
<植え方>
上のイラストのように、つるなしインゲンの種をナスの株間の畝の肩に3粒まきます。本葉1.5枚になったら2本立てにします。まき時期は、ナスと同じでも後でまいても構いません。
ナス×落花生
<科学的な根拠や効果>
マメ科のインゲンと同様、落花生の根にも根粒菌が共生します。その菌によって窒素が固定されて、ナスに供給されます。
詳しくはナスと同じ科のトマト記事内のトマト×落花生(ラッカセイ・ピーナッツ)の欄をご覧ください。
>>・病害を避けたい!トマトのコンパニオンプランツの植え方と効果(記事)
落花生はマルチ代わりともなり、空間を有効的に使えます。品種は大粒の落花生(おおまさり等)の方が葉が茂りやすくマルチの代用として効果が増します。
落花生は9月~10月が収穫時期ですので、秋野菜の植え時期と重なります。限られたスペースで栽培されている方は十分計画を練ってから植えることをお勧めします。
収穫した落花生は殻付きのまま塩ゆですると美味しいです。
<植え方>
(1)まずナスを株間60cmで植えます。小さいスぺ―スなら混み合いますが45~50cmぐらいでしょうか。
(2)ナスの株間の畝の肩部分に植えます。直線上に植えない理由は、少しでも落花生に日が当たるようにしてあげる為ですね。そのようにずらすことにより落花生の生育が良くなります。
直線上に植えたい場合は、株間をいつもより広くとって植えます。
種まきする場合は、マルチをしておいて、成長して花芽が付きだしてきたら剥がすと地温や雑草対策になります。
ナス×パセリ
<効果&植え方>
パセリの香りによって、ナスにつく害虫を寄り付かなくさせる効果があります。またセリ科とナス科と科が違うので、双方につく虫を忌避します。
パセリを株元に植えることで、マルチのように土壌の湿度を保ち、ナスを守ることが出来ます。
パセリは真夏の日光下よりもナスの日陰下で育てる方が生育も良く、柔らかい葉を収穫することが出来ます。また、よく見かけるパセリ以外にイタリアンパセリでも代用することが可能です。
ナスとは草丈の違うパセリを植えることで狭い菜園内で一つ多く植えられます。
ナス×マリーゴールド
<科学的な根拠や効果>
マリーゴールドの根に侵入したセンチュウを死滅させ、ネコブセンチュウなどの増殖を抑えます。
管理人の畑も連作障害の一種「ネコブセンチュウ」によって、ナスが被害に遭い、実らず枯死した経験があります。
<植え方>
◎ナスとナスの間にマリーゴールドの苗を植える。
それぞれの株間は25~30cm間隔で植えます。
◎畝の肩(フチ)や隣に植える
ナス×秋植えリーフレタス
収穫も終盤の頃には、まだまだ残暑の残ります。草姿が大きくなったナスの日陰を利用して、暑さに弱いリーフレタスを植え付けることも出来ます。
以上、ナスのコンパニオンプランツの効果と植え方の一例でした。
この記事の一部は、以下の文献を参考にしました。
『決定版コンパニオンプランツの野菜づくり』著/木嶋利男
ナスだけでなく、秋野菜の相性の良い野菜も詳しく載っているので農薬を低減させる為に役立ちます。