5月は一年の中で最も野菜の種まきや苗の植え付けの種類が多くなる時期です。園芸店やホームセンターの苗売場では大勢の方が来られ賑わいます。中には1種類の野菜だけで苗20本買われる方もおられます。
また5月以降は霜が降りることが徐々に少なくなっていく為(中間地基準)、夏野菜が植え付け後に枯れるといった失敗がグンと減ります。ですから初心者にとって家庭菜園をスタートする時期としてもお勧めの時期です。
庭や小さな畑でも育てられる野菜の種類はどんなものがあるのでしょうか?定番のものからちょっと変わった珍しい野菜まで「5月植えでつくれる野菜」をまとめてみました。
5月に植える野菜の種類の一覧
庭や狭い畑でも育てることの出来る野菜を中心に科ごとのグループ分けして紹介していきます。収穫期は中間地基準です。
ナス科
トマト(ミニ・中玉・大玉)
形態:ポット苗・挿し木
いつ収穫できるか?:植え付け約2ヵ月後
収穫期:5月に苗の定植すると7月〜8月
初心者や子どもと育てるならミニトマトがお勧め。サラダはもちろん、みそ汁の入れても美味。トマトといえば赤というイメージが強く、赤色の品種を選びがちだが、黄色やオレンジ色の方が甘い。
天使のトマトの糖度が一番高かった!!詳しくは下の記事で。
ナス
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:約1ヵ月後
収穫期:7月〜9月
料理に使いやすいサイズは写真にような長卵形。長ナスや水ナスもあるが、白ナスや緑ナスなどスーパーで出回っていない珍しい品種を作るのも家庭菜園ならではの醍醐味。煮る・炒める・焼く・揚げる・漬物等様々な料理法に使える万能野菜。
ピーマン
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:約1ヵ月後
収穫期:7月~10月
初心者にも作りやすく、尚且つ失敗しにくい品種は「京みどり」。この品種は実が小さく、スーパーで売っているような形にはならないが、次々と成る為、豊産である。他にもジャンボピーマンという食べ応えのある品種もあるが、収穫出来る大きさになるまでに少々時間はかかる。
シシトウ
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:約1ヵ月後
収穫期:7月~10月
トースターで焼いて、鰹節と醤油をたらして食べると美味。
食用ほおずき
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:約2ヵ月後
収穫期:7~10月
コメント:食感や形はミニトマトにも似ていますが、熟した実の味は甘く、フルーツ感覚で食べられる。果物の代わりとして育てることも出来、栄養価の野菜。熟すと落下するのでその実を収穫すると甘い実が食べられる。品種名「ストロベリートマト」や「ほおずきトマト」という商品名で販売されていることも。
トウガラシ
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:約1ヵ月~2ヵ月後
収穫期:7~10月
生のまま、乾燥させて食す。株が終わりなる頃まで自然乾燥させた実は赤黒くなりにくい。大株になったトウガラシは霜にも多少耐えられる。漬物やペペロンチーノ等に国産のトウガラシを使うことが可能となる。
ウリ科
キュウリ
形態:ポット苗・2作目なら種
いつ収穫できるか?:約1ヵ月後
収穫期:6月下旬~8月(5月に定植時)
スーパーで見かける形をお探しなら「夏すずみ」が人気。イボなしなら「フリーダム」もお勧め。昔ながらのキュウリを求める方は四葉系の「シャキット」
ウドンコ病の耐病性のある品種を購入する失敗しにくくなる。連作するなら接ぎ木苗を購入したり、長ネギと根が触れ合うように一緒に植えて良い。
カボチャ
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:約2ヵ月後
収穫期:8~9月
庭や小さな畑ならネットに這わせて空中栽培の出来る手の平サイズのミニカボチャがお勧め。不動の人気を誇る「坊ちゃん」は生クリームとの相性も良く、栄養の高いデザート感覚になる。
カボチャの仲間で、ズッキーニも5月植え可能ですが、栽培するには広いスぺ―スが必要になるので、収穫数を考慮に入れると、狭い畑では不向き野菜。
ゴーヤ・ゴーヤー(ニガウリ)
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:約2ヵ月~2ヵ月半後
収穫期:7~9月
日陰と気化熱(水分蒸発)を利用して、節電効果が期待できる野菜。葉の茂り具合や密度の観点から緑のカーテンが作りやすい。加熱してもビタミンが失われにくい為、健康野菜としても人気。スーパーで一本100円以上で販売されている為、家庭菜園においてコスパが良い。
「ブランド」とい品種はゴーヤの中でも多収穫である。白ゴーヤは苦みが少なく、あの純白な姿は感動を覚える。また場所に余裕があるならスーパーで出回っていないので家庭菜園で作ってみる価値のある品種。
マクワウリ
(写真準備中)
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:約2ヵ月~2ヶ月半後
収穫期:8月(~9月)
庭で育てる場合、ツルは畑の囲いの外に出して栽培する。味はフルーツに近く、メロンのように甘い。フルーツを育ててみたい!と思う方にぜひ作ってほしい野菜。祖父母、子、孫も喜ぶ。
ミニメロン
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:約2ヵ月~2ヶ月半後
収穫期:開花後40~45日(およそ8~9月頃)
空中栽培が出来るネットメロン「ころたん」がお勧め!その場合、支柱の強度確認は必須。果実300~500g。
管理人も育てた経験があるが、一株から沢山穫れる。糖度や甘さを求めるなら摘果して収穫数を減らす工夫する。
スイカ
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:受粉後、小玉なら約35日
コンテナや小さな畑なら「姫甘泉(ひめかんせん)」等の小玉スイカがお勧め。
トウガン
(写真準備中)
形態:苗
いつ収穫できるか?:約2ヵ月程
収穫時期:7月中旬頃から9月中旬
実に水分が95%含まれているトウガンは、淡白な味で煮物にして冷やして食べても美味。カロリーも低い。栽培はしやすいが、庭での家庭菜園では栽培面積をとるので少々難しい。
マメ科
枝豆(エダマメ)
形態:種・ポット苗
いつ収穫できるか?:約2ヵ月~2ヶ月半後:極早生80日・早生85日・中早生90~110日・晩生120日後
エダマメは中国産が多いので、安全・安心を求めて栽培される方やつまみとして育てる方もいる。
インゲン
形態:種
いつ収穫できるか?:つるなしなら種まき40~45日後・つるありなら種まき後65~70日後。5月初めまでに種をまけば6月中旬に収穫可。
収量は落ちるが、つるなしなら夏野菜のピーク前に収穫することできるので、6月に重宝する野菜。また秋まで持ち越さないので菜園計画が立てやすい。コンパニオンプランツとしても利用可。
落花生(ラッカセイ・ピーナッツ)
形態:種・ポット苗
いつ収穫できるか?:約5ヶ月後
収穫期:10月
ナス科のトマトやナスのコンパニオンプランツ。マルチ代わりにもなる。独特な実の成り方に子どもと楽しめたといって翌年リピートするケースもある。ジャンボ落花生の「おおまさり」がお勧め。ポット苗の場合は、根を傷めないように移植する。
シカクマメ(四角豆)
形態:種
いつ収穫できるか?:約2ヶ月半後
収穫期:8~10月中旬
暑さに強く育てやすい野菜。つる性の野菜で実の形状は独特な四角の形をしている。
三尺ササゲ
(写真準備中)
形態:種
収穫期:8~9月
長さ30cm程の若いさやを収穫する。厚さにも強いつる性野菜。
アオイ科
オクラ
形態:種・ポット苗
いつ収穫できるか?:2ヵ月以降
収穫期:7~10月
3本立ちのまま定植する。間引かない。一本立てより三本立ての方が良い理由は、草丈も低くなる収穫しやすい他、実も硬くなりにくい。庭や貸農園には特にこの方法を勧める。
週末にしか収穫できない場合は、丸オクラの品種を選ぶ。
モロヘイヤ
(写真準備中)
形態:種・ポット苗
いつ収穫できるか?:約1ヵ月~1ヵ月半
収穫期:7~10月
葉を食用する。刻むとぬめりがある。花には毒性がある為避ける。
おかのり
(写真準備中)
形態:種・ポット苗
いつ収穫できるか?:約1ヵ月半
収穫期:(5)6~9月
乾燥させると海苔のような香り。病害虫につきにくいので栽培容易。株のボリュームを抑える為にこまめに収穫する。
シソ科
青ジソ
形態:種・ポット苗
いつ収穫できるか?:約1ヶ月半後
収穫期:5~6月
日当たりの悪い日陰で栽培可能。
スーパーでは高く販売されているが、家庭菜園で作れるコスパ抜群の野菜。頂芽をピンチ(切り戻し)して枝数を増やすと良い。袋栽培、プランター栽培も可能。ハダニに注意。
イネ科
トウモロコシ
形態:種・ポット苗
いつ収穫できるか?:品種によるが約3ヶ月前後
収穫期:7~8月
人気野菜の一つ。実を食害するアワノメイガ対策が必要。
ヒルガオ科
サツマイモ
形態:ツル苗・ポット苗
いつ収穫できるか?:植え付けから約4~5ヵ月後
収穫期:10月~11月
栽培も簡単で初心者にお勧め。コスパの良い野菜の一つ。芋だけでなく、葉や葉柄(よく茎と言われている部分)も食べられる。
クウシンサイ(エンサイ・ヨウサイ・アサガオナ)
形態:種
いつ収穫できるか?:約1ヵ月半
収穫期:6月中~10月
生育旺盛で育てやすい青菜。害虫被害も割と少ない。栄養価としても夏バテ解消に最適。
セリ科
ニンジン
形態:種
収穫期:5月まきなら7月下旬以降。
五寸ニンジンとそれより小さい三寸ニンジンとがある。
パセリ
形態:種・ポット苗
いつ収穫できるか?&収穫期:種まき後約二ヵ月半後~晩秋まで
初心者に最適でプランター栽培可能。春から秋は北側の玄関先等の半日陰になるところでも生育可能。ナスのコンパニオンプランツとして使える。弁当や料理の彩りとして使える。栄養価も高い。
ミツバ(三つ葉)
形態:種
いつ収穫できるか?:約1ヵ月半~2ヵ月
収穫時期:5月下~10月
日陰で簡単に栽培できる野菜。鉄分やビタミンA・C等栄養価の高い。プランターでも育てられる。
パクチー
(写真準備中)
形態:種・ポット苗
いつ収穫できるか?:約1ヵ月半~2ヵ月
収穫期:5月下~10月
個性的な風味もあるタイでよく食べられているパクチー。少量収穫できればと思われる方は苗も販売されている。プランターでも栽培可能。
スープセロリ
形態:種・ポット苗
いつ収穫できるか?:約1ヵ月半
収穫時期:5月下~11月上旬
セロリ程クセもなく、セロリ嫌いでも食べることが多い。種まきからだと生育まで少々時間がかかる。袋栽培やプランター栽培が可能で、青ジソと一緒に寄せ植えも出来る。
ショウガ科
ショウガ
(写真準備中)
形態:種芋
いつ収穫できるか?:6ヵ月
収穫時期:10~11月
野菜の陰になる場所や日陰で育てる。コンパニオンプランツの役割として土壌殺菌の効果がある。
キク科
ベビーレタス
形態:種
いつ収穫できるか?:約1ヵ月
収穫期:(5~)8月上・中旬頃まで
草丈15cm程になったものからハサミで順次収穫する。ベビーレタスの場合、ガーデンレタス(サカタのタネ)等、複数の品種がミックスされた種を買うと、彩りがきれい。
写真のレタスは、種まきから日の当たらない場所で育てたものです。
ミニゴボウ(サラダゴボウ)
形態:種
いつ収穫できるか?:種まきから約4~5ヵ月後(品種にもよる)
一般的なゴボウと違って、短形ゴボウは約30~40cm程で収穫するので収穫しやすいという利点がある。株間10~15cm程で省スペースで作れるのも魅力の一つ。サカタのタネの「ダイエット」は株間3~5cmでも良い。
金時草(キンジソウ)
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:約1ヵ月半
収穫期:6~10月
葉をお浸しなどにして食用する。紫色の葉が鑑賞しても楽しめるが、茹でると葉が紫から緑に変わる。熱帯アジア原産の暑さに強い野菜。
食用菊(食用ギク)
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:約5~6ヵ月
収穫期:10~11月
食用部分は花。花を茹でてつくつ酢の物やお浸しは美味。鑑賞用のキクより花の大きさが大きく苦みも少ない。
ハマミズナ科
アイスプラント
形態:ポット苗
いつ収穫できるか?:植え付け約1ヵ月後
塩味のあるプチプチとした食感で食べられる多肉植物。クセもない。
ヤマノイモ科
ヤマイモ(長芋)
形態:種芋(植え付け5月上旬まで)
いつ収穫できるか?:約7ヵ月
収穫期:11月
つる性の野菜で長期栽培が必要となる為、狭い畑だと不向きの場合も。芋以外にもむかごも楽しめる。
ツルムラサキ科
おかわかめ(ぬるっぱ)
(写真準備中)
形態:苗
収穫期:7~10月
つる性植物。育て方も簡単で生育旺盛。食用部分は主に葉。ヌメッとしていて、わかめのような食感をしている。
ツルムラサキ
形態:種・苗
いつ収穫できるか?:わき芽が育ってきたら収穫
収穫期:7~9月
つる性の野菜で、切るとぬめりがある。料理法は汁ものやお浸し。ビタミンも豊富。
ヒユ科
オカヒジキ
形態:種 5~6月中旬頃まで播種可
いつ収穫できるか?:約1ヵ月半~2ヶ月後
収穫期:6~8月上旬
食用部分は、若くてやわらかい葉や茎。株間を狭くして育てる為に、株が広がりすぎないようにこまめに収穫する。
ホウレンソウ
形態:種(5月中旬ごろまで)
いつ収穫できるか?:種まき後1ヵ月
収穫時期:6月頃
半日陰でも育ることが出来る。鉄分が豊富。
スイスチャード(フダンソウ)
形態:種
条間30cm・株間5cm程
いつ収穫できる?:30~60日以降。種まき時期により異なる
野菜だけでなく、茎の色彩を利用して花壇に植えられることもある。病害虫に強い。
ゴマ科
ゴマ(白ごま・黒ごま・金ごま)
形態:種
いつ収穫できるか?:約3ヵ月~4ヶ月後
収穫期:9月中~10月上旬
育てやすい野菜の一つだが、草丈が1.5cm以上にはなるので支柱等の支えが必要。花は鑑賞して楽しめる。
アブラナ科
※アブラナ科野菜全般的に、春から夏時期は害虫被害に遭いやすいので防虫ネットでの対策が必須です。
ターツァイ
形態:種
いつ収穫できるか?:夏と秋は種まき35日後辺りから収穫
夏や秋は草丈10cm強程で収穫する。9月頃までずっと種まき可能。
ラディッシュ
形態:種(5月中旬ごろまで)
いつ収穫できるか?:種まきから 約30日~45日後
ミニ大根ならではのシャキッとした食感。ダイコンと同じで涼しい環境を好むので、5月下旬以降とタネまきが遅くならないようにする。
小カブ
形態:種
いつ収穫できるか?:種まき後45~50日程
カブには中カブや大カブもあるが、初心者には栽培日数の短い小カブがお勧め。
ミズナ
形態:種
いつ収穫できるか?:種まき2か月後
水耕栽培されたミズナとは歯ごたえが違う。種蒔きは秋まで可能。
コマツナ(小松菜)
形態:種
いつ収穫できるか?:種まき後1ヵ月程
育てやすく、鉄分が豊富な野菜。葉のかきとり収穫可能。耐暑性のある品種のタネを購入すると良い。
ミニチンゲンサイ
形態:種
いつ収穫できるか?:種まき後20~30日
草丈10~15cmで短期間で収穫出来るミニ種の青菜。株間も10cm程で大丈夫。
ホースラディッシュ
形態:苗
畝幅:80cm・株間:30cm
いつ収穫できる?:約6~7ヶ月後
別名「西洋ワサビ」「山ワサビ」と呼ぶ。ローストビーフに添えられることが多く、味はワサビそのもの。根を食用する。
サトイモ科
里芋
形態: 種芋
株間:40~45cm
いつ収穫できる?:約6ヶ月後(10~11月)
熱帯アジア原産。品種によって親イモや子イモを食べるか異なる。セレベスと八ツ頭は親・子・葉柄を食用可能。
高温多湿を好むので、夏場など乾燥しやすい時期は株元にワラを敷くと良い。
<まとめ>
5月に植える野菜・種まきする野菜の中で一番人気なのはミニトマト・キュウリ・ナス・オクラです。
フルーツ感覚で子どもと食べたい方や毎日果物を食べる方にお勧めなのは、ミニメロンのころたんや食用ほおずきです。
広い畑をお持ちの方は、かぼちゃのズッキーニ苗も栽培可能です。
以上、5月に植えられる野菜でした。菜園計画にお役立てていただければ幸いです。