初めて野菜をつくるとしたら、必ずと言っていいほどトマトやミニトマトが入っている程人気の野菜ですね。
しかし夏野菜にはナス科が多いのも実情です。トマトもナス科です。しかもトマトは背が高くなるので植え場所も限られる為、毎年連作になってしまう方も多いのではないでしょうか?連作しつづけると、微生物が偏り土壌病害が出やすくなります。
ベランダ菜園等プランター栽培をされる方にとっても、生のままで食べることから農薬に抵抗がある方もおられます。
連作障害対策やなるべく農薬に頼らないようする為に、コンパニオンプランツは効果的です。
それでは、トマトと相性のいい植物との植え方や効果を紹介します。
トマトのコンパニオンプランツの植え方と効果(イラスト付)
主に家庭菜園で一緒に植えたくなる野菜や植物を中心に取り上げてみました。わかりやすくイラスト付きです。
単体で解説してみますが、実際は他の相性の良い植物と合わせて混植しても大丈夫です。
トマト×バジル
<効果>
トマトにつくアブラムシの被害を抑えられます。バジル特有の香りを嫌うので寄り付かなくなるとのこと。ただし、バジルを好むアブラムシは例外かと思います。
トマトは水分を抑えることにより甘みが増します。周囲にバジルを植えることで土壌内の水分を吸い上げ、水分過多になることを防ぐ役割があります。
バジルには蚊が嫌う匂いの成分「シネオール」が含まれており、蚊よけ対策としても効果的なのではといわれています。
パスタやピザといった料理の相性も抜群ですし、植えて置いても損のない組み合わせですね。
<植え方>
地植え(畑や菜園)の場合
(1)先にトマトの苗の植える位置を決めます。
(2)その後バジルをトマトとトマトの株間にバジルを植えこみます。株間は均等に30cm程度です。
バジルは品種名のスイートバジルのいう名称で苗が販売されていることが多いです。
トマト×ニラ
<科学的な根拠や効果>
トマトは連作すると、土壌病害を引き起こし枯死に至ることもあります。その病原菌を減らすことが出来れば、連作障害を抑えることにつながるといことですね。ニラにはそうした病原菌を減らすことが可能ということです。
詳しくいうと、ニラの根に共生する拮抗菌(バークホルデリア・グラジオリー)が分泌する抗生物質によって、トマトの病害の発生源「萎凋病」の病原菌を減らすことが出来ます。
効果的な植え方は、ニラとトマトの根を密接させることがカギとなります。ということは、ニラの根を増やすと良いわけですから、切り戻し(収穫)によって根の張りの良くなったものを植える方、本数を1株ではなく3株に増やすと良いです。
他には、ニラの葉の香りによって害虫を防ぐことが出来ます。
<植え方>
地植え(畑や菜園)・プランター栽培
(1)苗を植える為に穴を掘ります。目安はトマトの苗より大きめのサイズです。
(2)ニラを3株を用意し、ニラの根が底を覆うような感じで広げて置きます
(3)一番花のついたトマト苗を一つ、なるべくニラの根に触れさせるようにして置きます。ニラの根の上にのっても大丈夫です。
その後土をかけて定植完了です。
トマトが終わったら、ニラも抜きます。プランターや別の場所に植え替えます。畑にニラを残すとこぼれ種で畑中に増え広がっていきますのでご注意を!
植え替えたものは、耐寒性に優れているので来年に回せます。中間地で北側の日陰に植えてあっても枯死せずに、3月には成長し始めます。
トマト×バジル×ニラ
<植え方>
管理人は庭で野菜作りを行っている為、広くとれませんから、上記のような感じで三種類同時に植えます。
バジルを少し手前にずらして(斜めになるように)植えます。トマトとバジルの間隔は20~25cm程度、トマトとトマトの株間は25~30cmと通常の株間です。限れた場所で沢山栽培したいからですね。
ただし生育旺盛の時期はジャングルかのうようになり茂り過ぎます。そうなると通気性が悪くなり、病気の原因ともなりますから、時々剪定を必要とします。
失敗したくない等不安な方はトマトとトマトの株間を広くすると良いと思います。
トマト×落花生(ラッカセイ・ピーナッツ)
<科学的な根拠や効果>
マメ科の落花生の根には根粒菌がびっしりとつきます。その菌の働きによって空気中の窒素が固定され、栄養源としてトマトに供給されます。
同じく共生する菌根菌(きんこんきん)により、リン酸やマグネシウム、鉄などのミネラルを分解・吸収し、供給されやすくすることが可能とのこと。
落花生の茂った葉によって雑草を抑える効果もありますから、真夏の炎天下内でマルチ代わりともなるということですね。バジルと同様、土壌内の水分過多を防ぐ為、必然的にトマトの実を甘くする効果もあります。
背丈が高くなる野菜とほふく性(這う)という異なる特性を持つ野菜だからこそ、空間を有効的に使える利点もあります。
<植え方>
①落花生の苗を植えるなら
(1)先にトマトの苗の植える位置を決めます。
(2)その後落花生の苗ををトマトとトマトの株間20cmぐらいのところに植えこみます。
葉をマルチ代わりにしたいので、株の茂り具合的には苗植えをおすすめします。
②落花生を種を植えるなら(マルチ代わりにはあまりならないかもしれません)
(1)落花生の種を殻から薄皮付で取り出します。
(2)一番花の咲いたトマト苗を定植後、落花生の種3粒をトマトから25cm離れたところに大体2~3カ所に均等に蒔きます。落花生の種まきは覆土約3cmです。発芽するまで鳥に食べられないように注意します。
プランターの場合は、基本同じですが、落花生は横へ広がる性質のことを考慮すると幅の広い鉢がおすすめです。深さ35cm以上ある鉢に植えます。トマトが終わった時に同時に落花生を収穫します。
<落花生を植えるに当たっての注意点!>
収穫時期が9月過ぎます。小さな畑や限られた場所で野菜を作られている方はその辺を考慮にいれて、菜園計画を練ってください。
トマト×マリーゴールド
マリーゴールドには、背丈も伸びる花が大きい「アフリカン種」・背丈の短い「フレンチ種」があります。イラストはフレンチマリーゴールドですが、線虫対策としてはアフリカンの方が根の張りが良い為効果も高いといわれています。もちろん、フレンチにも効果はありますので、混合しても良いかと思います。
<効果>
マリーゴールドの根によって、センチュウを死滅させることができますから、連作障害の一種であるネコブセンチュウなどの被害を抑えることができます。
<植え方>
◎トマトとトマトの間に苗を植える。
それぞれの株間は25~30cm間隔で植えます。
◎畝の間に植える。もしくはトマトの隣に並べて植える。
マリーゴールドは線虫被害に遭いやすいナスやピーマン、キュウリ等の野菜にも効果的です。
この記事の一部は、以下の文献を参考にして執筆しております。
『決定版コンパニオンプランツの野菜づくり』著/木嶋利男
他の野菜のコンパニオンプランツも詳しく載っていますから、役立ちますし面白いですよ。
以上、トマトのコンパニオンプランツの植え方の一例でした。
品種が多すぎるミニトマトの苗を選ぶ為に役立つ記事↓↓↓